『いける本いけない本』第8号2008夏号ほか出版社系冊子がおもしろい

あの大きな本屋に置いてある無料の小冊子(ムダの会発行・トランスビュー発売)の1つである。
「いける本・いけない本 大アンケート」もいけている。20人に対して18ページ!
私も結構愛読する社会学大澤真幸の新作に対するものを含め結構辛口評もあって潔い。

加えて「出版社の格付け」や「Sの悲劇」と題して山海堂新風舎草思社の倒産裏事情の解説があったりと、ちょっとした出版社事情に強くなることもできる。(わたしも最近、九天社の倒産の影響を受けたので他人事ではなかったのですが。。。)


出版社系ではもう1冊、『紀伊国屋書店 scripta』no.8 2008夏号
に連載されている、上野千鶴子「ニッポンのミソジニー7 女子高文化とミソジニー」における負け犬の酒井順子中村うさぎの「痛さ」を分析していて興味深い。いずれも女子高ノリの延長で女性読者を相手にした芸なのだという指摘は非常に納得できる。


そして最近注目すべきは、『読書人の雑誌 本』講談社である。
本 においては、生物学者の記事が注目である。
先月号(2008年6月号)からあの「生物と無生物のあいだ」の福岡伸一の新連載
「世界は分けても分からない」が始まっている!
そして三中信宏の「生物の樹・科学の樹」の連載が後1回で終わる。13回目になんと「現代形而上学」で話題になっている<時空ワーム>が登場するが、すでに70年も前に植物分類学者が同じアイデアを唱えて図示しているのだそうだ。その図が掲載されており興味深い。