阪神大震災に関する上田篤の記述のメモ

阪神・淡路大震災に関する重要な記述なのでメモ。
ただし,残念ながら自分で事実が確認できているわけではない。


上田篤「一万年の天皇」文春新書(2006)のあとがきから

...ことは,ある東京の雑誌社から震災の記事の原稿をたのまれたことに端を発する。
そこでわたしは,震災をいろいろしらべた結果「地震で死んだ人は八百人なのにその5,6時間あとに火事で死んだ人は四千二百人という大惨事になった原因は,大阪ガスが元栓を締めずにガスをながしつづけ,関西電力が各所の切れた電線を応急処置して電気をながしたためあちこちで電流がショートしてガスに引火し火災をおこしたからで,それをゆるした行政当局の誤判断」と書いた原稿が没にされたことである。


にわかには信じがたい記述だが,著者の上田氏は,万博お祭り広場の設計者で,日本を代表する建築家・都市計画研究者であり,わたしはかなりその著書でお世話になっている。一方,わたしはこの阪神大震災の時にはペルー旅行でもらった赤痢のために帰国直後に東京で隔離入院しておりTVで震災を知り驚いた。そして退院後,大阪ガス関連のソフトウェア会社に転職したが,そこでも社員やその関係者が多数被災しており他人事ではなかった記憶がある。社員も多数,震災当時ボランティアで救援に従事したという話も聞いてる。それだけに,この記述は俄かには信じがたいのだが,無視するわけにもいかない。そこでとりあえずメモしておく。


ちなみに,上田氏の「一万年の天皇」自体も非常に斬新な視点で日本について考え直させてくれるお勧めの本。ぜひ正月にでも手にとってほしい1冊。